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個人再生 弁護士の債務整理コラム

個人再生委員が選任される3つの場合

投稿日:2017年4月11日 更新日:

再生委員

個人再生委員とは、あなたの財産・収入の調査を行ったり、あなたが適切に返済計画案が作成できるように勧告したり、債権額に争いがある場合にその金額を決めたりすることを職務として、裁判所から選任される方のことをいいます。通常は弁護士が個人再生委員に任命されます。

個人再生委員が選任される場合には、個人再生手続が厳しく判断されることにもなりますし、個人再生委員の報酬を支払わなければなりませんので、あなたの負担が大きなものになります。

では、どのような場合に、個人再生委員が選任されるのかをご説明します。

原則として選任されない

大阪地方裁判所本庁で個人再生手続を行う場合では、

①弁護士が個人再生の申立を行っていること
②借金総額が3000万円を超えない場合又は3000万円を超える場合でも、その借金が事業によるものでない場合

には、原則として個人再生委員が選任されることなく、個人再生手続が行われます。

個人再生委員が選任されませんので、裁判所による書面審査のみで個人再生の可否が判断されることになります。

個人再生委員が選任される場合

ただし、次の3つの場合には個人再生委員が選任されることがあります。
裁判所による書面審査だけではなく、細かく事情を検討しなければならない場合です。

あなたの財産や収入に疑いが生じている場合

あなたが財産を隠していたり、収入を偽っている疑いがある場合には、その調査のため個人再生委員が選任されることがあります。
個人再生を申立てる際には、裁判所に対して預貯金通帳などの財産資料を提出しなければなりません。
財産資料や借金の経緯などを見て裁判所が怪しいと判断するかどうかです。
もし誤解を受けそうな点がある場合には、申立の際に説明書を作成し提出することができます。

借金総額が3000万円を超え、その借金が事業によるものであるとき

住宅ローンと保証債務を除いた借金総額が3000万円となっている場合には、個人再生委員が選任されることがあります。
事業での借り入れが3000万円を超えるということは、逆に考えると3000万円を融資しても回収できる財産・売上があると債権者が判断したことになります。
また、事業に関するお金と個人のお金が混ざってしまっている可能性もあります。
そのため、裁判所としては調査を十分にするために個人再生委員を選任するのです。

何度も個人再生手続を利用している場合

何度も個人再生手続を利用している場合には、返済計画が上手く作成できていないとの疑いが生じますので、個人再生委員が選任されることになります。
2回目から個人再生委員が選任されるのか3回目から選任されるかなど明確な回数の基準はありません。
都度、事情をみて裁判所が判断することになります。
実例では、2回目の個人再生の申立てでは個人再生委員は選任されず、3回目の個人再生の申立の際には選任されたというものがあります。

大阪地方裁判所における個人再生委員選任事例

大阪地方裁判所においては、個人再生委員の選任事例について、次のとおり、指針を示しています(はい6民です お答えしますvol.256)

A 再生債務者の収支(事業収支を含む、)が不明瞭であったり、積立てを取り崩したりするなど、履行可能性の判断が複雑である場合、又は履行可能性に問題がある場合

B 純粋な本人申立てであって、再生債務者がDIP型手続における公平誠実義務(法38Ⅱ)を専門的知識に基づき的確に遂行することを求めることが困難な場合

C 弁護士代理申立て事案であっても、申立書や疎明資料に不備が多く、手続遂行に際し裁判所からの補正指示を所与の前提としているなど、いわゆるDIP型手続における公平誠実義務を専門的知識に基づき的確に遂行することが期待できない場合

D 下記aからfまでの例示のような困難な法律的解釈を内包しており、手続遂行に当たり個人再生委員による事実関係及び法律関係の調査を要する場合
a 履行期間中の再度の申立てで、配当調整を要する場合
b 弁済協定締結予定であるが、時価額や今後の弁済額につき慎重な吟味を要する事案
c 諸費用ローンや住宅の買替前債務が混入しており、住宅資金貸付債権該当性が法的に問題となる事案
d マンション管理費滞納やペアローンなど法35Ⅰの担保権が存するもののうち慎重な対応を要する事案(法198Ⅰただし書参照)
e 別除権付再生債権か否かや別除権不足見込額に争いがあり、債権の手続内確定に慎重な検討を要する可能性がある事案
f 財産評定(殊に否認対象行為の成否)や清算価値計上額の判断に慎重を期す必要がある事案

さいごに

適正に個人再生の申立ができれば、個人再生委員が選任される可能性は低くなります。
したがって、個人再生申立までの準備を入念に行うことが重要になります。

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