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弁護士の債務整理コラム 自己破産

借金で給料が差し押さえられた! ~その場合の対応について~

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1 はじめに

借金の返済ができなくなると、債権者は返済を求めて民事裁判をしてきます。そして、その裁判で借金を支払うよう命じる判決が出て、これが確定すると、債権者は、強制執行手続として、給料の差押えや銀行預金の差押えをすることができます。
それでは、給料の差押えを受けてしまった場合、給料を受け取ることができなくなるのでしょうか。
今回は、給料の差押えを受けた場合の対応について、ご説明します。

 

2 債権者による給料の差押え

⑴ 給料差押えの手続

債権者から給料の差押え手続がなされた場合、勤務先には裁判所から通知が送られ、勤務先は、差押えされた給料について、従業員である債務者に支払うことができなくなります。他方で、債権者は、差押えた給料を直接自己に支払うように取り立てをすることができます。

⑵ 全額を差し押さえられる訳ではない

もっとも、給料に対する差押えは、その全額に対してできる訳ではありません。債務者の生活を守る必要があるため、給料の手取り額の4分の3にあたる部分は差押えができないとされています(民事執行法152条1項2号)。つまり、債権者が差押えをできるのは、原則として手取り額の4分の1とされています。
ただし、債権者の債権が、養育費や婚姻費用の場合は例外で、給与の2分の1までは差押えをすることができます。

 

3 手取りが減ると生活が苦しい

このように、法律では、債務者の生活を維持する観点から、一定の範囲で手元に残せるようになっています。
もっとも、生活状況は人により様々ですし、生活に最低限必要となるお金も家庭により異なります。法律が画一的に決めた範囲だけでは、生活が回らないということもあり得るでしょう。
そのような場合には、差押えの範囲の変更を求める手続きが考えられます。

 

4 差押えされる金額の変更を求める

⑴ 差押禁止債権の範囲変更の申立て

具体的には、差押禁止債権の範囲変更の申立てを執行裁判所に行います。
先にご説明したように、債務者の生活を守る必要があるため、給料の手取り額の4分の3にあたる部分は差押えができないとされています。さらに、執行裁判所は、債務者の申立てにより、債務者の生活に著しい支障が生じる場合には、差押命令の全部・一部を取り消したり、差押を禁止する範囲を変更することができます(民事執行法153条1項)。

⑵ 手続に必要なもの

まずは、債務者から執行裁判所に申立てをする必要があります。大阪の執行裁判所では、申立書の書式を窓口で入手できます。
申立書には、差押禁止債権の範囲変更を求める理由を記載する必要があります。差押禁止債権の範囲変更は、給与の差押えにより債務者の生活に著しい支障が生じる場合に認められることから、給与の差押えによりどのように生活に支障が生じるのかを具体的に記載する必要があります。
そして、申立書以外に、家族構成や世帯収入・支出(家計収支表、源泉徴収票、給与明細、公的支給の証明書等)、通帳などの資産状況を明らかにする資料を提出します。
また、申立てをする時期について、注意が必要です。債権者は、債務者に差押の通知が発送されて4週間が経過すると、勤務先から給与を取り立てることができるようになります(民事執行法155条2項)。そのため、給与差押えの範囲変更申立ては、この4週間のうちにする必要があります。なお、以前はこの期間が1週間とされていましたが、2019年に改正されました。

 

5 根本的な解決にはならない!?

このように、債権者から給料の差押えを受けた場合に考えられる手続として、差押えの範囲を変更するということが考えられます。
しかし、この手続は、あくまで債権者が強制執行手続によって取り立てすることができる金額を変更するものにとどまります。借金自体が減るものではありません。むしろ、完済するまでにさらに時間がかかることとなり、この間の利息(遅延損害金)が増えていくことが懸念されます。

 

6 最終的には自己破産を検討

そのため、借金自体を解決するには、自己破産等の債務整理をする必要があります。
自己破産をすることにより、債権者からの給料の差押えも止まります。より具体的には、

① 破産管財事件の場合

破産手続開始の決定があった場合には、給料の差押え等の強制執行は、効力を失います(破産法42条2項)。

② 同時廃止事件の場合

破産手続開始の決定があった場合には、給料の差押え等の強制執行は中止となり(破産法249条1項)、その後に免責許可の決定が確定すれば、強制執行は効力を失います(破産法249条2項)。

 

7 債権者から督促があれば早めのご相談を!

以上のように、最終的に自己破産をして手続が進めば、強制執行は失効することとなり、それ以降の給料の差押えを回避することができます。
しかし、債権者が給料の差押えの強制執行手続を採ると、勤務先に対して裁判所から通知が発送されるため、借金があることや債権者から差押えがされたという事実が勤務先に知られることになってしまいます。
もちろん借金があることを理由として会社をクビにされることはありませんが(そのような理由による解雇は無効と判断される可能性が高いです。)、借金を滞納していることを知られると、働きにくさを感じる方も少なくありません。
そのような事態になる前に、債権者から督促が来た場合には、速やかに弁護士に強談ください。

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