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弁護士の債務整理コラム

自己破産における犯罪行為

投稿日:2018年4月25日 更新日:

はじめに

自己破産をするのは、心情的には抵抗があることと思います。それは、借りたお金を返せなかったことや迷惑をかけてしまったことに対する負い目があるためです。
 
しかし、自己破産は法律上認められた制度であり、自己破産をすること自体は犯罪ではありません。したがって、自己破産をすること自体が詐欺罪となったり、逮捕される理由になることはありません。

ただし、自己破産をすることは貸主に迷惑をかけることになりますし、免責という大きな効果を得ることができる手続である以上、真摯に自己破産手続を行うことが要求されています。
そして、真摯に自己破産手続を行わず、不誠実な対応をすれば、その不誠実な行動が犯罪にあたる場合があります。

破産をする場合、どのような不誠実な行動が破産に当たるのか、破産をする方の視点でご説明します。

格安旅行会社「てるみくらぶ」社長の逮捕

格安旅行会社「てるみくらぶ」が平成29年3月27日付で東京地方裁判所から破産手続開始決定を受けました。海外旅行中の方が帰国できない、振り込んだ旅行代金が返却されない等社会的にも大きな関心を集めました。
旅行を企画していた多くの方にとっては、騙された!詐欺だ!というお気持ちになられたことと思いますが、自己破産をすること自体は犯罪ではありません。

しかし、実は、破産手続中の平成30年2月「てるみくらぶ」の社長が逮捕されています。
自宅に約700万円の現金を隠していたとして、破産法に規定する詐欺破産罪として逮捕されたのです。自己破産をすると多くの財産が没収されることになりますが、没収を免れるために、裁判所に現金があることを報告せず隠していたことが問題視されたのです。
 
このように、破産手続中に不誠実な行動をすれば、現実的に逮捕される可能性があるということに注意しなければなりません。

どのような不誠実な行動が犯罪となるのか?

破産法では、不誠実な行動があった場合に、犯罪となり罰を受けるべきことを定めています。

これを破産犯罪といいます。

犯罪というのは、法律で定めていなければ、刑罰を科すことはできません。
今回は特に破産をする方が関係のある破産犯罪についてご説明します。

詐欺破産罪

①詐欺破産罪
破産手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、
ⅰ 債務者の財産を隠匿し、又は破損する行為
 →ex,てるみくらぶの事案のように財産を隠す行為等です。
ⅱ 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
 →ex,財産を他人名義に変更する行為等です。
ⅲ 債務者の財産の現状を変更して、その価格を減損する行為
 →ex,自宅に虚偽の抵当権を設定する行為等です。
ⅳ 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為
 →ex,明らかな安値で財産を売却する行為等です。
のいずれかに該当する行為

②刑罰
10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金刑を処し、又はこれを併科する。

特定の債権者に対する担保の供与等の罪

①特定の債権者に対する担保の供与等の罪
債務者が、破産手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをした行為
 →ex,特定の債権者のみに一括返済した場合等です。

②刑罰
5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金刑に処し又はこれを併科する。

説明及び検査の拒絶等の罪

①説明及び検査の拒絶等の罪
ⅰ 破産に関して必要な説明に関して、説明を拒み又は虚偽の説明をした行為   
 →ex,破産をするに至った経緯、収入状況等について虚偽の説明をした場合等です。
ⅱ 破産管財人等による帳簿、書類その他の物件の検査を拒んだ行為

②刑罰
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金刑に処し、又はこれを併科する。

重要財産開示拒絶等の罪

①重要財産開示拒絶等の罪
所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければならないが、これを拒み、又は虚偽の書面を裁判所に提出したとき

②刑罰
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金刑に処し、又はこれを併科する。

審尋における説明拒絶等の罪

①審尋における説明拒絶等の罪
債務者が、破産手続開始の申立て又は免責許可の申立てについての審尋において、裁判所が説明を求めた事項について説明を拒み、又は虚偽の説明をしたとき
→ex,自己破産の理由等によっては、裁判所において裁判官と面談しなければなりません。その際に、裁判官からの質問に虚偽の説明をする場合等です。

②刑罰
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金刑に処し、これを併科する。

贈賄罪

①贈賄罪
破産管財人等に対して、賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をしたこと

②刑罰
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金刑に処し、又はこれを併科する。

最後に

自己破産をすること自体は犯罪ではないものの、以上のように破産手続において不誠実な行動をすれば、犯罪となってしまう危険があります。

自己破産をすることに反省をしていれば犯罪に当たるように不誠実な行動をとることはないと思いますが、思わず破産犯罪に当たる行為をしてしまうこともあるでしょう。

自己破産をするに当たって、何か心配なことがある場合は、早めに弁護士に相談し、間違いのない行動かどうか検討することが重要です。

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